これまでロンドン・コレクションでパンチのきいたラインを発表してきた「ブーディカ（BOUDICCA）」は2005―2006年秋冬ニューヨーク・コレクションから、ニューヨークに発表の場を移しました。ダークで無機的なスタイルは変わりません。黒のロングブーツに黒のドレスやジャケットという、ハードっぽい組み合わせが目立ちました。

　ただ、胸元深く切れ込んだドレスや、シースルーっぽいレースの裾処理に、すっきりしたイメージが強かったこれまでよりもいくらかセクシーな演出を感じさせました。

　光沢のある黒や茶のレザーを多用。お得意のパフ仕上げは袖先や肩口に見られました。全体にキリッとしたライン。モデルも足を開いて正面を向いて構えるポーズを取っていました。肩にポイントを置き、肩口を高く盛り上げたり、エポレット（肩当て）を採り入れたりしていました。片方の目にだけはめた眼帯は危険なムードを醸し出す上で重要な小道具となっていました。

　「ブーディカ」はゾーイ・ブローチ（Zowie Broach）とブライアン・カークビー（Brian Kirkby）の男女デュオ。ブランド名の「ブーディカ」とは、英国の伝説に出てくるケルトの女王の名前です。ローマ帝国と最後まで勇敢に戦った女王に通じる、ストイックで攻撃的なイメージを打ち出しています。